しいくのキホン

その5  床材のはなし

★いざ爬虫・両生類を飼うことになると、床材は非常に重要な役割を果たしていることが
分かります。なぜなら彼等にとって床材の上は食卓であり、居間であり、トイレでもある
からです。そんな重要なものだからこそ、実は飼育をしていくうえで飼い主がいちばん頭を
悩ませるポイント、床材についてお話していきます。


Q:床材って何?

A:爬虫・両生類を飼育する際にケージの底面に何も敷かないこともありますが、
ほとんどの場合は何かを敷くことになります。例えば土や砂を敷いたりして、
飼育する爬虫・両生類の棲んでいるところに近い環境をつくるのですが、その
ときに床にしく素材のことを床材と呼びます。読み方は「ゆかざい」、「とこざい」
どちらでも構いません。



Q:どんな床材を使えばいいの?

A:スナボアやツノトカゲなどのように砂漠に棲んでいる爬虫・両生類の場合は、
砂を床材に使用するのが一般的です。



例えば野生ではこんな環境に棲んでいるトカゲの場合は・・・・

こんな感じの床材で飼育しましょう!

    ・床材をエサと一緒に食べてしまったときのために、消化器官につまらない程度の粒の
     細かいサイズの砂を選びましょう。
    ・砂に潜るタイプの爬虫類の場合では厚めに砂を敷いて、潜れるようにしてあげます。
     ただし、砂を入れすぎると何を飼っているのかが分からなくなってしまいますし、生体
     の状態を把握しづらいので、生体の存在が確認できる程度の厚さにしましょう。
    ・砂はほとんど保湿性がありませんので、極度の乾燥に注意しましょう。
    ・ホットスポットの下に石などを置くと爬虫類が効率よく体を温めることができますが、
     重たい石の下に潜った際に挟まって動けなくなってしまうことがありますので、石を
     設置するときは砂を敷く前に石をレイアウトしましょう。


A:地上性のカエルやサラマンダー、ブラッドパイソンやバイパーボアなどの
ように、湿った場所を好むタイプの爬虫・両生類には、保湿性の高いミズゴケや
湿らせたヤシガラ土などを使用するのが一般的です。


こんな感じの床材で飼育しましょう!

    ・湿った場所に棲む生体は、大概が床材の中に潜りたがります。あまり多量の床材を
     入れてしまうと生体が観察しづらくなるので、適度な量にしておきましょう。
    ・湿った場所に棲んでいるとは言っても、全体的に床材がベチャベチャになっていると
     状態を崩してしまいます。ほんのりと湿っている程度にしておくか、乾燥した部分を
     ケージの一部に用意してください。
    ・ミズゴケやヤシガラ土など保湿性の高い床材は、言い換えれば吸湿性が高い素材
     です。給水を怠って乾燥させてしまうと、ケージ内の空気も乾燥してあっという間に
     カラカラになるので注意して下さい。



A:カメレオンなどの樹上性トカゲ、乾燥地帯に棲むツリーフロッグの仲間、
多くのヘビの仲間には、新聞紙やキッチンペーパーなどの紙を床材にすると
良いでしょう。

こんな感じの床材で飼育しましょう!

こんな感じの床材で飼育しましょう!

    ・余分な水分を吸収し、フンや尿酸を簡単に処理できるという点で新聞紙やキッチン
     ペーパーは非常に優れた床材です。ただし、自然なレイアウトに馴染まないという
     デメリットがあります。
    ・紙がクシャクシャッとなってホットスポット用の電球などの高温部に直接触れて
     しまうと、火災の原因になりますので要注意です。
    ・潜りたがる爬虫類の場合、紙の下に潜りっぱなしになってしまい、生体が見えなく
     なってしまうことがあります。



A:アオジタトカゲをはじめとしたスキンクの仲間や小型〜中型のリクガメ、
モニター(オオトカゲ)やテグーの仲間などは、ヤシガラ土やバークチップ、
またはそれに鹿沼土や赤玉土などを混ぜた床材を使用すると良いでしょう。



・こんな感じの床材で飼育しましょう!

    ・大型のスキンクやリクガメなどは、ツルツルと滑る床材で飼育すると歩行障害や
     爪の成長異常などが起きてしまうことがあります。歩きやすいように少し厚めに
     床材を敷いた方が良いかもしれません。
    ・エサと一緒に床材を食べてしまっても、フンに混じって排泄できるくらいの小さな
     粒のものを選んで下さい。
    ・比較的ホコリの立ちやすい床材なので、せわしなく暴れるような生体に使用する
     のはあまりオススメできません。



A:ゾウガメなどの大型リクガメや1.5m以上のモニターなどのように、
極端に大きな生体の場合は、木製のスノコやジョイント式プラスチックタイル
などを床材として使用すると、不潔になりにくく、管理もしやすくなります。



・こんな感じの床材で飼育しましょう!

    ・よほどピッタリサイズの製品があった場合を除いて、スノコはサイズを測って自作
     した方が何かと便利です。自作の場合、釘の飛び出しなどに気をつけて下さい。
    ・フンや尿などにより、木やプラスチックが劣化してくることがあります。汚れがひどく
     なってきたら、新しいものと交換してください。
    ・ジョイント式プラスチックタイルは、穴がたくさん空いていて通気性の良いものが
     ベストです。
    ・スノコもジョイント式プラスチックタイルも、下に新聞紙などを敷いておくと更に管理
     は楽になります。



Q:掃除はどうすればいいの?

A:乾燥した環境ではフンなどの水分もすぐに乾いてしまうので、砂やヤシガラ土
などの床材はそれほど不潔にはなりません。それでも排泄物の量に合わせて
週に1、2回はふるいにかけてフンやゴミを取り除いてください。また、1ヶ月に
1回くらいは床材を全て取り替えてしまった方が良いでしょう。

A:湿っている環境で飼育している場合には汚れるのも早いので、ミズゴケや
ヤシガラ土などの床材は2週間に1回くらい、全て取り替えましょう。また、カビ
や雑菌の繁殖を防ぐためにも、フンや食べ残しのゴミは気づいたらすぐに取り
除きましょう。

A:新聞紙やキッチンペーパーを床材として利用している場合は汚れたらすぐに
取り替えることができるので、飼い主の判断で「汚れている」と感じたら床材を
新しいものに交換して下さい。


Q:どんなところで売ってるの?

A:爬虫類を扱っているペットショップであれば、大抵は各メーカーが爬虫類専用
に開発した床材用商品を販売しています。ただ、価格がちょっと高いのが難点。

A:赤玉土や鹿沼土、川砂、黒土などの用土はホームセンターや園芸店で販売
されています。ミズゴケやヤシガラ土も圧縮されてブロック状になった形で置いて
あると思います。ホームセンターや園芸店で購入した場合に、量が多すぎると
感じる人は、値段は割高になってしまいますが100円ショップでも各種の用土を
取り揃えているので、それを利用しても良いでしょう。

A:新聞紙は新聞をとったり、人から貰ったりして下さい。

A:キッチンペーパーはスーパーや薬局で売っています。

A:ジョイント式プラスチックタイルは、ホームセンターや100円ショップの中で
ジョイント式人工芝などを売っているコーナーで一緒に売られていることが
あります。



Q:すぐに使っていいの?

A:爬虫類専用の床材、新聞紙、キッチンペーパーはすぐに使っても構いません。

A:ミズゴケは乾燥圧縮してあるものを水で戻した後、何度か洗って絞ってを
繰り返してから使用してください。

A:ジョイント式プラスチックタイルなどは、必ず一旦洗ってから使用しましょう。

A:圧縮ヤシガラ土は、水で戻したらそのまま使っても構いません。

A:園芸用土を使用する際には、できれば天日で干したり、電子レンジで加熱
したり、鉄板で焼いたりして、殺菌をしてから使用した方が良いですが、面倒なら
そのまま使って、マメに取り替えるという方法でも構いません。



Q:これって床材に使っても平気?

A:以下のようなものを床材に使用する場合は、注意が必要です。


    ・針葉樹を削ったウッドチップなどは、爬虫類の呼吸器系に悪影響を与える場合が
     あります。異常な呼吸音だったり、くしゃみ、鼻水を出している場合にはすぐに環境
     を変えた方が良いでしょう。
    ・ネコ用のトイレ砂は、爬虫・両生類がエサと一緒に誤食した場合に消化管内で凝固
     してしまいます。絶対に使用しないで下さい。
    ・鑑賞魚用の大磯砂など、誤食した場合に消化管に詰まってしまいそうなサイズの
     床材は使用しない方が良いでしょう。
    ・ビニール製のふわふわした人工芝は、ほつれたビニール部分をカメやトカゲが誤食
     してしまうことがあります。人工芝を使用する場合は、プラスチック製の硬いものを
     選ぶようにして下さい。

さいごに・・・

★人間の生活に置き換えて考えてみたときに、トイレと風呂があるだけの牢獄のような6畳間に
住むのと、自分好みの家具やインテリアや照明を使った6畳間に住むのとだったらどちらを選び
ますか?おそらく誰でも後者を選ぶでしょう。それは爬虫・両生類も同じで、やはり牢獄のような
飼育環境ではストレスがかかってしまいます。飼育環境をつくるための第一歩である床材選び
は、最も飼育者のセンスが問われてくる部分ではないでしょうか?床材選びは正解が一つだけ
ではありませんから、アイデア一つで飼育はもっともっと楽しく奥が深いものになっていくかも
しれませんね!


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