しいくのキホン

その8  カエルのツボカビ症対策

★2006年の12月末、東京都内で飼育されていたカエルから、日本で初めてカエルの
ツボカビ症が発見されました。ここではなるべく難しいことを抜きにして、カエルや両生類の
飼育者がとるべき対策を説明していきたいと思います。


★ツボカビって何?

・カエルなどの両生類の皮膚に感染する菌の1種で、感染した両生類の致死率は90%。
両生類と淡水性のエビのみ感染するので、爬虫類・魚類・哺乳類・鳥類にとっては無害。
水を媒介として感染が広まる。感染経路は下記イラスト参照。



★ツボカビが野外に広まると、、、

野生の両生類が、数多く絶滅するでしょう。その結果、他の生態系にも多大なる被害を与え、
農林業にも被害を与えることになります。一旦野外に広まってしまったツボカビへの対策は
今のところありませんし、今後も根絶は不可能でしょう。

つまり、
ツボカビを野外に広めないことが最も大切なことなのです。



★両生類の飼育者は5つのルールを守りましょう!

1、逃がさない、放さない。
一度飼育をはじめた両生類は、決して野外に逃がしたり放したりしてはいけません。
外国産の両生類だけでなく、国産の両生類に関してもそれは同じです。野外で捕獲して
きたカエルを、数ヵ月後に同じ場所に放したとしても、飼育中にツボカビに感染する
可能性はゼロではありません。


2、死体は密閉・焼却。
飼育している両生類が死んだ際には、ジップロックなどの密閉できる袋に入れてから
燃えるゴミに出すか、すぐに焼却して下さい。庭に埋葬したり、トイレに流したりするのは
絶対にやってはいけない行為です。


3、最低でも60日間の検疫期間を。
新しく飼育し始めた両生類は、今まで飼育していたものとは一緒にせず、最低でも
60日間の検疫期間を設けましょう。ツボカビに感染、発症したカエルはおよそ2〜5週間で
死にますので、検疫期間は60日となります。ただし、アフリカツメガエルやウシガエルの
ように感染しても耐性があるために死なないカエルもいます。検疫=安全ではないのです。


4、消毒を習慣に。
飼育水をはじめ、飼育用品を洗う際やメンテナンス後の手洗いなど、水を流す際には
必ず消毒を行うことを習慣にしましょう。具体的なカンタン消毒法は以下のとおり。
より詳しい内容を知りたい方は、WWFのホームページよりこちらをご覧下さい。
●手や指などの消毒
手や指などに付着した菌が、手洗いの際に排水から野外に流れ出ていく可能性があるので、
できれば薄手のゴム手袋などをはめてからメンテナンスを行うのが理想的。そうすれば、
飼育器具などと一緒にゴム手袋を消毒すればよいだけで、手指は普通に洗浄できる。
素手でメンテナンスを行った際には、まず30℃以上の温水で
石鹸を使って手洗いした後に、オスバンSなどの希釈液に
手指を浸して消毒を行う。
●飼育器具、ケージの消毒
花王の『キッチンハイター』を利用するのが最も簡単で経済的ですが、漂白作用があるので、
ケージ内のレイアウト用自然物などを消毒する際には熱湯を利用しましょう。
飼育水や漂白されない飼育器具、
水槽やプラケースなどの飼育容器は
『キッチンハイター』を5リットルの水に
対してキャップ1杯を入れ、15分以上
浸した後に水洗いしましょう。これは、
慣れると案外楽なものです。


5、専門機関に検査を行ってもらおう。
一般の飼育者は、無料で専門機関に検査を依頼することができます。カエルの体の
表面を綿棒で拭き取って、その綿棒を送るだけです。検査の依頼書は獣医師を介して
手に入れてください。検査の結果次第では、安心して飼育をつづけられることを思えば、
なるべく早めに検査を依頼するべきだと思います。



★うちのカエル(両生類)、最近様子がおかしい・・・というときは、

飼育中の両生類がツボカビに感染しているかいないかは、外見や反応による判断だけ
では非常に難しいので、とにかく
様子がおかしいときはツボカビを疑いましょう
ツボカビは専門の獣医師によって
治療可能です。飼育を放棄したり、安楽死させる必要は
皆無ですので、落ち着いて対応しましょう。基本的には、先に述べた消毒方法を守って
いただければ問題はないのですが、不幸なことに飼育中の両生類が死んでしまった
場合には、水槽内のレイアウト(砂利や土、水草や流木など)も密閉した容器に入れた後
燃えるゴミに出すか焼却してください。より詳しい内容は、WWFのホームページより
「カエルツボカビ症について」の項目をご覧になって見てください。




さいごに・・・
   

今回の一件をきっかけに、全てのカエルが特定外来種に指定されてもおかしくないと
いうくらいの深刻な事態です。両生類を輸入する業者だけでなく、それを販売する業者、
そして両生類の飼育者、すべてにモラルが問われているときなのではないでしょうか?
数多くの両生類、しかもそのほとんどは固有種という「美しい国」日本の貴重な自然を
守れるように、5つのルールを必ず覚えておいて下さいね!




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