ガラパコラム

第11回目 ミズオオトカゲの世界


(2003・7・8)


今回はマレー半島の東側に浮かぶ小さな島、ティオマン島というところの話です。

3年前のちょうど今と同じくらいの季節に、僕と妻は1週間ほど南の島でのんびりと過ごそうと思い、マレーシア
のティオマン島に行ってみました。その島には大きなリゾートホテルが一件あるだけで、そのホテル以外は
ほとんど開発が進んでいません。また、そのホテルも自然を残して造られているので、要するにどこに行っても
ジャングルと綺麗な海が一望に出来るような、素敵な小島です。

特に何か目的があって行った旅ではなく、ただのんびりしようと思って行った旅だったので、とりあえずホテルの
敷地内を散歩してみることにしました。ホテルといっても、大きな建物がドカンと一件建っているのではなく、
小さなバンガローのような客室が敷地内に点々と建っているだけなので、背の高い建物も無く開放感に溢れて
います。僕たちの部屋のすぐそばにビーチがあったので、そこを歩いていくと、海へと流れ出る小さな川を発見。
その先、つまり上流の方向には池が見えます。水があれば何か生き物がいるものだと思い、僕はその池を
目指して進みはじめました。

プラプラと小川沿いを歩いていると、すぐに発見しました。全長1mくらいのミズオオトカゲです。「オッ!」と思い
しばらく見ていたのですが、そいつは悠然と川の中へとダイブイン。さすがはミズオオトカゲ、水に入るのが
大好きなようです。すかさず追いかけていくと、たどり着いたのは目当ての池でした。そして、そこはまさにミズ
オオトカゲの楽園でした!それほど大きな池ではないのですが、小さいもので70cmくらい、大きいものになる
と軽く2mを超えているようなものまで、20匹以上はいたと思います。どいつもこいつもゆったりと水のなかを
泳いだり、岩の上で日光浴をしたりと、威風堂々としています。人間が多少近づいても、バタバタと急に走って
逃げたりはせずに、じっくりとこっちの様子を伺ってからノシノシと逃げていきます。カッコイイですね!!!
それから毎日僕はその池を見に行き、ミズオオトカゲを観察していました。

ミズオオトカゲと言えば、爬虫類マニアの中では「人に馴れるトカゲ」として有名です。確かに入荷されてきた
ミズオオトカゲは、他のオオトカゲに比べるとおとなしく、頭も良いような気がします。もちろん例外もありますが
人には馴れやすいような気がします。毎日観察を続けていると、そのティオマン島のミズオオトカゲ達も、
ホテルの人間に餌付けされていることが分かりました。餌付けと言っても、レストランで使う食材の残りもの
(ニワトリの足の部分)を池に投げ捨てているだけのようですが・・・。人間をそれほど恐れないのは、そういう
理由からかと思い、僕は試しにミズオオトカゲを1匹つかまえてみることにしました。それで暴れなければ、
本当に人に馴れやすいトカゲだと言っても良いでしょう。

いざ捕まえてみようとすると、これが以外に難しく、ある程度の距離までは簡単に近づけるのですが、微妙な
間合いに入ると奴らはすぐに逃げてしまいます。何とか気配を殺しながら狙いを定めた1匹に近づき、ガバッと
尻尾をつかんで「ゲットだぜ!」と思いきや、そのミズオオトカゲは急激に体をくねらせ、ものすごい力で走り
去っていきました。やっぱり野生の相手は手強いぜ!!!

結論です。いくら人に馴れやすい(と言われている)ミズオオトカゲでも、ただエサを与えているだけでは人に
馴れません。しかも2mを超えている奴は、パッと見がネッシーのようでした。現在、ミズオオトカゲを飼育中
または、これから飼育しようとお考えの方は十分に注意してください。ミズオオトカゲの飼育には、お金と時間、
そして気合と根性が必要です。(でも、カッコイイんだよな〜)

ちなみに、このティオマン島の高地にカメレオンモリドラゴンが多数生息しているそうです。


こんな感じのミズオオトカゲがたくさんいます。これで1mちょっとの大きさです。

まるでネッシーのように見えます。この写真の個体で約1.8mほどでしょうか?

−−−このコラムへのご意見、ご要望はこちら−−−

>ガラパコラムのバックナンバーを読む