ガラパコラム 第25回目 悪魔の毒々コブラ! ![]() (2005・12・1) あんまり爬虫類を知らない人にヘビを見せると、必ずと言っていいほど聞かれる質問は「それってさぁ、毒は ないの?」ってやつです。実際爬虫類全体を見渡して、毒を持っているものと言えばドクトカゲ2種と一部の ヘビ(緑書房刊・ヘビ大図鑑によると、毒ヘビはヘビ全体の一割にも満たない250種ほどで、しかもそのうち 咬まれると死に至る可能性があるのは僅か50種ほどだそうです)くらいですが、やっぱり爬虫類イコール 「毒」というイメージが浸透しきっているのですね。 確かに、マムシやハブを見たことはなくてもその名前を知らない日本人はほとんどいないでしょうし、これが アフリカならブラックマンバ、オーストラリアならタイパンと言う風に各国で畏れられているヘビがいますが、 世界的に最も有名な毒ヘビと言えば、ずばりキングコブラでしょう。最も長くなる毒ヘビというだけでなく、 最強レベルの毒を持ち、なにしろ名前が「キング」ですからね。(注:この「キング」ってのはヘビを食べるヘビ というところに由来しています)おかげさまでコブラという名は毒ヘビの代名詞になり、フードを拡げた立派な 威嚇ポーズはあまりにも有名です。 2004年のレプタイルズショーを見に行ったときのこと。業者商談日ということで一般の方々は入場できない 日だったのですが、リハーサルも兼ねて本場タイからやってきたと言うコブラ使いが毒ヘビショーを実演して くれることになりました。このショーがとても本格的で、漫画とかによくあるヘビ使いが笛を吹いたら壷の中 からヘビさんコンニチハ!みたいな奴とはちょっと違い、本気で臨戦態勢に入っているヘビの前で色んな事を やって、最終的にはコブラにチュ〜をしちゃうという過激な内容です。子供心をとうに失っている僕なんかは、 どうせ毒腺が抜いてあるコブラなんだろうと思って見ていたのですが、それにしてはヘビ使いさんが妙に真剣。 その証拠に、ヘビ使いさんが頭につけているヘッドセットマイクからこちらに聞こえてくる息遣いがもの凄く 荒いんです!ハァハァ言いながら、「次はヘビにチュ〜します」とか説明されてもただただ怪しく危険な香りが 漂うばかりですが、無事にコブラとのセッションは終了に近づき、布袋の中にコブラをしまう瞬間・・・・。 ちょこっと咬みました。 それはそれはちょこっとだったみたいなのですが、ヘビ使いさんは苦笑いっていうか、もう半笑い状態で 「大丈夫ですよ〜」アピールをしてるんですが、明らかに焦ってます。すかさず主催者さんが近づき何か 小さな声でささやいたのですが、それに対してヘビ使いさんは「リルビッバイッ!」(おそらくLittle bit bite → [ちょっと咬まれた]と言ったんでしょう)と小声で返答。でも、マイクついてるからしっかり聞こえちゃってるし。 毒腺を抜くなどの小細工は無いことが分かり、見てるこっちも冷や汗をかきました。 こんな風に熟練したヘビ使いでさえも焦っちゃうくらい危険なコブラやその他の毒ヘビ。何を思ったか、それを 飼いたいっていう奇特な人も稀にいます。一体どれほどの覚悟を持ってそんな発言をしているのかは分かり ませんが、日本の病院にはコブラやガラガラヘビの血清なんてありませんし、万が一脱走でもしたら大迷惑。 たとえ咬まれても死に至るケースは意外に少ないらしいですが、それでも猛烈に痛み、腫れますから。お願い ですから、仕入れてくださいとか言わないで下さい。 それでもどうしても毒ヘビを飼ってみたい!っていう人のために、こんな話を。 以前、お客様で過去にキングコブラを飼っていたことがあるという人がいました。ケージは外側から二つに 仕切れるようになっていて掃除や水換えは安全にできるようなものだったそうですが、理由があって飼育を 断念し、キングコブラは手放したそうです。え、その理由ですか?はい、やっぱり毒ヘビと一つ屋根の下に くらしていると、脱走や地震などを想像してしまい、毎日安眠できなくなってしまったからだそうです。 それでもあなたは毒ヘビを飼いたいと思いますか??? もちろん、オレには無理ッス・・・。 −−−このコラムへのご意見、ご要望はこちら−−− >ガラパコラムのバックナンバーを読む |