ガラパコラム 第30回目 甘えん坊のケヅメリクガメ。 ![]() (2006・9・22) 基本的に爬虫類ってのは野生に生きるものであって、ウシやウマのように家畜化されているわけはなく、 イヌやネコのように古くから人間と共存してきたわけでもありません。だから、名前を呼んでも返事どころか 気づきもしませんし、何か人間の役に立つようなことをしてくれないのが普通です。でも、中には飼い主と 一緒の布団で寝るコビトカイマンや、飼い主の後をついてまわるコモドオオトカゲなどなど、きちんと人の 顔を見分けているに違いないというような逸話を聞くこともちらほら。さて、ホンマかいな??? 現在当店で飼育中のケヅメリクガメは、訳あって瀕死の状態で私のところにやってきました。当時甲長は 20cmほどだったでしょうか?既にそこそこの大きさはあったのですが、まったくエサを食べず、四肢は だらしなく伸びきってしまって歩くことも出来ず、目も開かずにうなだれて苦しそうに呼吸しているだけ。 栄養剤入りの人工飼料を強制給餌したり、日光浴をさせてみたり、温浴をさせてみたりと、素人療治で 試行錯誤してみてもまったく回復の兆しが見られませんでした。 このままでは死んでしまうと思い、例によって御茶ノ水にある爬虫類専門の動物病院へケヅメを連れて 行き、名医の診断に任せることにしました。レントゲンを撮って、血液検査をした結果、前の飼い主さんが 与えていたエサの水分量が足りず、長期的に脱水に陥り、最終的に腎臓機能に障害を来たしていた ことが分かったのです。 通院と点滴治療を続けている間、徐々にケヅメが回復していく様子を妻が報告してくれました。と言うのも、 その当時私はまだ開業しておらず勤めに出ていたので、ケヅメの活動する日中に面倒を見てくれるのは 妻の役目だったのです。本来爬虫類には興味のない彼女ですが、なぜか献身的に介護をしてくれて、 毎日の温浴、日光浴を行ううちに、口の前に持っていった野菜を自発的に食べるまでに回復しました。 私は「今日ケヅメが野菜食ったよ〜」という妻の報告を受け、早速次の休日にその様子を見せてもらう ことに。まだ首の動きがぎこちないので、地面に置いた野菜を食べることができず、人間が口の前まで 持っていかなければ食事が困難なようでしたが、妻の手に持ったコマツナをゆっくりとかじる姿はとても 可愛らしく、感動もひとしお。思わず「オレにもやらして」と、妻に代わってコマツナをケヅメの顔の前に 持っていったところ、、、、無視されました。ちょっとビックリしただけかな〜と思って、しつこく待ってみた ところで、やはり無視。で、妻にコマツナを返すと、ケヅメはおもむろにモグモグと食い始めます。 翌日もその翌日も、やはりケヅメは私の手からはエサを食べずじまい・・・・。結局完全に回復するまで 私の手からは食べず、妻の手からの食餌のみで立ち直りました。 それまで爬虫類は決して人にはなつかない生き物だと思い込んでいた私ですが、さすがにこの一件を きっかけに考え方を改め、最近では素直に心の交流が持てるものだと納得しています。とは言っても、 爬虫類の方から人間に対して心を開いてくれるのは極めて稀なことなので、過剰な期待や、勝手な 思い込み、そして油断は禁物だと心得ておかなければいけませんけどね。ガブリとやられますよ〜! 最後に最近のケヅメの状況を。 幼い頃に重病を患ったためか、他のケヅメに比べるとだいぶ成長が遅いようですが、暖かい日はとても 元気に庭の雑草を食べております。そして、常にお腹を空かせているみたいで、今では誰の手からでも エサを食べるようになりました。 −−−このコラムへのご意見、ご要望はこちら−−− >ガラパコラムのバックナンバーを読む |