ガラパコラム

第8回目 とりあえずワニPart2 (後編)


(2003・4・30)


ガンボリンボと名づけられた遊歩道。聞くからに怪しいその道は、人っ子一人いない寂れたみやげ物屋の
すぐ横から湿地帯の中へとつながっていました。開けている場所ではカンカンに日光が照っているので
強烈に暑いのですが、うっそうとしたその遊歩道の中は日陰になっていてかなり涼しいようです。暑さに
嫌気のさしていた僕と妻、H君はそそくさとガンボリンボ遊歩道の中へと入っていきました。

10歩も歩かないうちに、我々はすぐに異変に気づきました。とにかくすごいんです、蚊が!!!どれくらい
すごいかというと、僕の前を歩いていたH君の白いシャツに蚊がへばりつき、5秒で真っ黒になってしまう
くらいのすごさなんです。しかも、3人の頭上には見事に蚊柱がたっています。漫画、「北斗の拳」で体の
周りにオーラが立ちこめているシーンがよく描かれますが、そのオーラの部分を蚊に置き換えて考えて
いただくと分かりやすいかと思います。夏のフロリダは、蚊が多いという話は聞いたことがありましたが、
まさかここまでとは誰も予想しませんでした。さすがにこのままでは誰かが失血死してしまうと思い、我々
はすぐにUターンしてみやげ物屋へと避難しました。

ガチャリとみやげ物屋のドアを開けると、老婆がニコニコしながらある方向を指差しています。その指差す
先には、なんと虫除けスプレーの棚があるではないですか。こいつ商売上手だなと思いながらも、「とにかく
一番強烈なスプレーをくれ!子供用のソフトなスプレーならいらない!!!」と宣言し、最強の虫除け剤を
手に入れました。早速3人でお互いの体にスプレーをふりかけます。さすがは最強のスプレーなだけあって
人間もゲホゲホむせ返るくらい、すさまじい匂いです。でもこれが効果テキメン、再びガンボリンボに入り
歩いていったのですが、蚊が体にへばりつく寸前で逃げていきます。(北斗の拳状態は相変わらずですが)

蚊の猛襲を防ぐことが出来たので、今度は落ち着いて(と言っても、かなりの早歩きで)遊歩道を進みます。
薄暗い遊歩道はオフシーズンということもあってか草が生い茂り、ところどころに点在する沼地は暑さで
水が干上がってしまっています。それでも十分にワニがいそうな雰囲気なので、ワクワクしながら道を
進んでいったのですが、グリーンアノールがちょろちょろと飛び出てくるだけで、あとは蚊しかいません。
ふと気づけば、ガンボリンボ遊歩道は既に終点。ほんとに、ものすごくワニがいそうな雰囲気なのに・・・。
そこであきらめるのも悔しいので、その周辺の遊歩道を全てチェックします、、、が、何もいないんです!
なんか、巨大なシラサギみたいな鳥がヤブの中でじ〜っとしているくらいで、他にはほんとに何もいません。
どうやらあまりの高温で、全ての生き物がやる気をなくしていたようです。期待していたようなワニの楽園
はそこにはありませんでした。

それでもあきらめきれない僕は、とにかく国立公園内を走る道の終点まで行ってみることにしたのですが、
そこにあったのは廃墟のように静かな駐車場と謎のコテージ、そして薄汚いゴミの浮いた港のような場所
だけでした。人間も動物もいません。いるのは、僕たち3人と蚊だけです。そして僕は、夏のフロリダは過酷
だということを学びました。皆さんも気をつけてください。フロリダで生き物を見たいなら、秋から春に行く
べきです。真夏は動物もオフシーズンのようでした。

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